ソフトウェア品質保証（QA）チームに求められる5つのこと

新しいソフトウェアを発売する際には、最終製品の品質に自信を持ちたいものです。しかし、プログラマーやデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、開発プロセスには多くの人が関わっているため、一人の人間が客観的かつ公平な方法でソフトウェアを評価することは難しいでしょう。そこで品質保証（QA）チームの出番となるわけですが、彼らが提供する情報によって、ソフトウェア製品の品質は飛躍的に向上します。

ソフトウェアQAとは何か？

ソフトウェアQAとは、ソフトウェア製品が、組織、業界、または世界的な認証機関によって設定された品質基準を満たし、準拠していることを確認するプロセスである。QAの主な目的は、信頼性やセキュリティからパフォーマンスや保守性に至るまで、ソフトウェアのあらゆる側面が意図されたとおりに動作し、事前に定義された一連の基準を満たしていることを確認することである。

ソフトウェアやシステムエンジニアリングの標準の多くは、 国際標準化機構（ISO）や 国際電気標準会議（IEC）によって作成・発行されている。つまり、ある組織が発売する新しいソフトウェア製品は、ソフトウェアの種類や規模、性質に関係なく、同じ世界標準に準拠しなければならない。

ISO/IEC規格の一例として、27001:2013がある。ISOによると、この規格は、「組織の文脈の中で、情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するための要求事項を規定している。また、組織のニーズに合わせた情報セキュリティリスクの評価と処理に関する要求事項も含まれている。

ソフトウェアQAはなぜ重要なのか？

ソフトウェアQAは、新しいソフトウェア製品が、明確に定義された効果的なグローバルフレームワークに準拠した形で開発され、発売されることを保証する。ソフトウェアQAは、組織が一連の原則とグッドプラクティスのリストに従うことを可能にする。これらのガイドラインは、組織のプロセスの質を高め、製品やサービスの質を高めるのに役立ちます。

これらの原則と慣行に従うことで、ソフトウェアを作成する組織はより高い品質の製品をリリースする可能性が高くなり、顧客はソフトウェアが安全で機能的で信頼できるものであるという保証を得ることができる。

ソフトウェアQAチームに求められるもの

グローバル・スタンダードは、高品質のソフトウェアのリリースを保証する素晴らしい方法である。しかし、ソフトウェアを作成する人々がそれに従っていなければ、そのような標準はほとんど意味を持ちません。これが、適切なQAチームを選ぶことが非常に重要な理由です。強力な技術的専門知識、コミュニケーションスキル、最新のグローバルスタンダードへの深い理解を持つ人材が必要だからです。ここでは、QAチームに求められるものをご紹介します。

関連する学歴と資格

米国の就職情報サイト「グラスドア」によると、ソフトウェア設計、エンジニアリング、コンピューターサイエンスの学士号または修士号を取得していることが、QAエンジニア職の基礎となる。このような経験を積むことで、新進気鋭のQAエンジニアは、さまざまなソフトウェア開発ライフサイクル、プログラミング言語、QAテスト環境についての理解、技術的スキルを身につけ、磨きをかけることができます。

QAエンジニアが手動テストを行うのにプログラミングに習熟する必要はありませんが、テストケースやテストステップを自動化するためのコードを書く能力は必要です。自動テストは、手動テストの時間を節約し、より頻繁な反復テストを可能にし、バグレポートの精度を向上させるため、QA部門で最も望ましいスキルの1つとなっています。

強力なコミュニケーション・スキルとコラボレーション・スキル

QAエンジニアは多くの場合、電子メール、掲示板、ビデオ会議、対面などを通じて、さまざまなクリエイティブな専門家とコミュニケーションをとる必要があります。そのため、ソフトウェア製品に期待される品質を開発チームに明確に伝える必要があるため、口頭および書面による強力なコミュニケーションスキルが不可欠です。また、特に技術者以外のスタッフと会話する際には、技術的な概念を平易でわかりやすい言葉に置き換えて説明することもしばしば求められます。

その上、QAエンジニアは、他のプロフェッショナルに、彼らの仕事が標準に達していないことを伝えるという、時には困難な仕事をしなければならない。自分の技術に多くの時間、労力、エネルギー、感情を注いでいる人たちの仕事を批評しなければならないのですから。このような潜在的な葛藤の結果、優れたQAエンジニアは、思いやりがあり、友好的で、共感的な態度でコミュニケーションをとることができる。しかし同時に、彼らは自分のフィードバックに十分な自信を持っている。

細部へのこだわり、好奇心、徹底性

ソフトウェアを分析するとき、QAエンジニアは好奇心をもって製品にアプローチしなければならない。単に明らかなバグやエラー、クラッシュ、ユーザーエクスペリエンスの問題を発見するだけではない。標準的なテストアプローチを超えて、ソフトウェアのさまざまな機能をさまざまな視点から評価するために深く掘り下げる必要がある。

規律、分析的思考、徹底性、正確性といった他の属性も、非常に望ましい特性です。このような属性は、QAエンジニアが細部にまで注意を払い、より大きな問題を浮き彫りにするかもしれない個別のパターンや傾向を特定し、問題を理解し、解決策を見つけられるまで時間をかけて取り組む能力を示している。優れたQAエンジニアは、公式文書で読んだ方法やアプローチだけに固執することもない。実験と既成概念にとらわれない思考は、新しい洞察を明らかにするために極めて重要である。

好奇心旺盛な考え方を採用することで、優れたQAエンジニアは、これまで予期していなかったバグや問題を発見し、それをソフトウェア開発チームに報告することができるかもしれない。例えば、開発者が誤って残した隠しボタンのような、非常に無害なものであっても、ソフトウェアアプリケーションのクラッシュを引き起こす可能性があります。そのため、優れたQAエンジニアは、ソフトウェア全体の品質に関連するあらゆる詳細を記録します。

最新のソフトウェア・テスト・ツールへのアクセス

長年にわたり、ソフトウェアテストツールは急速なペースで進化してきた。自動化は、QAエンジニアがあらゆる種類の機能テストや回帰テストを実行できるようにするため、標準的な機能となっている。自動化はまた、反復的な手作業の必要性を減らし、特定のバグの再現を容易にし、QAレポートの詳細度と精度を向上させる。そのため、当然ながら、複数のテストツールに精通したQAエンジニアは、ソフトウェア開発プロジェクトにとって非常に大きな価値を持つ。

ソフトウェアテストツールには様々な種類があり、それぞれに独自の利点とユースケースがあります。最も人気のあるテストツールのいくつかは、AIを搭載した安定したテストを迅速に作成するための自動テストプラットフォームであるTestim、直感的なUIを備えたコードレステスト自動化プラットフォームであるAutify、Webおよびモバイルアプリ用のオープンソーステスト自動化プラットフォームである Testsigmaなどです。

そのため、プロジェクトに関連するテストツールの使い方を知っているQAエンジニアを採用しましょう。例えば、モバイルアプリを開発するのであれば、KobitonやKatalonのようなツールの使用経験を持つQAエンジニアが有益です。

ユーザー・エクスペリエンスへの深い理解

ソフトウェアテストの重要な要素は、ユーザーの考え方に入ることである。エンドユーザーのニーズ、欲求、懸念、期待を予測することができれば、QAエンジニアはより簡単にユーザーの考え方に入り込み、ソフトウェアが彼らのニーズを満たしているかどうかを判断することができる。

これにより、QAエンジニアはさまざまなコンポーネントのテストを行うことができます。ソフトウェアが新しいページやタブをロードするのにかかる時間は？メニューボタンは見つけやすく、操作しやすいか？また、それぞれの機能や特徴は、エンドユーザーが望むアクションを実現するのに役立っているか？

このような質問をすることで、ソフトウェアQAエンジニアは、ソフトウェアがポジティブなユーザーエクスペリエンスを提供しているかどうかを判断し、そうでない場合は、より魅力的で直感的なエクスペリエンスを提供するために何ができるかを調査することができる。

プロジェクトに適したQAチームを採用する

品質保証チームを探す際には、自社のニーズを理解している人材を選ぶ必要がある。QAエンジニアは、その分野における高い資格と技術的な能力だけでなく、強力なコミュニケーション能力、問題解決能力、批判的思考能力を備えている必要があります。このような特徴を持つQAエンジニアを見つけることで、高品質のソフトウェア製品を開発・発売できる可能性が高まります。