クラウドへの移行：クラウド導入フレームワークから始める

クラウド導入フレームワークの利点

クラウド導入のフレームワークがきちんと書かれていることは、多くのメリットをもたらす。

• 採用フレームワークは、企業がクラウドを採用するためのロードマップを提供する。このフレームワークは、企業が取るべきアクションを段階的に示している。ベースラインは多くの場合、デジタル・トランスフォーメーション全体を通じて企業が独自の状況に合わせてフレームワークを調整できるよう、十分に柔軟性がある。
• クラウド・サービス・プロバイダーを利用している場合、クラウド・アーキテクチャの責任を分担してくれる人がいる。多くの場合、彼らのドキュメントやプラクティスを活用することができる。信頼できるベンダーであれば、実績のある一貫した方法論を持っているため、ベストプラクティスの調査に時間とコストを費やす必要がなく、中核となる価値主導のビジネス活動に集中できる。
• 最後になるが、従うべき指示が明確な標準化されたアプローチを持つことで、チームは移行プロセスを迅速に開始し、クラウドの準備態勢を整えることができる。また、新しいクラウド環境の効果的な管理と最適化を保証する。

マイクロソフトのクラウド導入フレームワークの方法論

AmazonやMicrosoftのような業界大手は、独自のクラウド導入フレームワークを導入している。これらのフレームワークには、クラウド採用へのアプローチ、既存のワークロードをモダナイズするために取るべき段階、あるいは組織が採用プロセスをどのように見るべきかが記述されている。

クラウド導入フレームワークを導入する際に必要なプロセスについて理解を深めてもらうために、この記事ではマイクロソフトのクラウド導入フレームワークについて深く掘り下げていく。

Microsoft Azure Cloud Adoptionフレームワークのガイダンスによると、ビジネスには6つの段階がある。これらは、クラウド導入の旅を最高のビジネス成果を念頭にスピードアップし、起こりうる課題を克服するために設計されている。ステージには、戦略の立案、計画の策定、準備、導入、管理、そして最後の管理が含まれる。前述の各プロセスは、幅広いクラウド導入ライフサイクルのステップである。

戦略

まず、クラウド導入に関する要件と期待を理解することから始めよう。

このステップの目的は、企業がビジネス戦略を文書化するのを支援することである。クロスファンクショナル・モデル（様々な機能部門のスタッフで構成され、与えられた目標を達成するために協力するワークグループ）では、目標とするビジネス価値の達成に焦点を当てた取り組みについてアドバイスを提供する。そこから、ビジネスが望ましいビジネス成果を達成するのに役立つクラウドテクノロジーの採用に向けて、最適な道筋を探る作業に移ることができる。

次のような核心的な質問を自分に投げかける：

• クラウドテクノロジーを採用する動機は？
• 望ましいビジネス成果は何か？
• すべての財務的要因を分析したか？
• 技術的な問題はありますか？ある場合、どのように対処しますか？

プラン

次のステップは、リソース、人材、テクノロジー、ワークフローを調整することだ。

選択したクラウド導入フレームワークが自社のデータベースやソフトウェア・アプリケーションをサポートできるように、将来の計画についても考えておこう。ここで、 ガートナー社のクラウド移行に関する5Rモデルを参考にすることもできる：Rehost、Refactor、Revise、Rebuild、Replaceである。

このフェーズでは、タスクの優先順位の付け方も提案する。採用活動にとってタスクの重要性は何か？重要業績評価指標（KPI）や推進要因も計画に明記する。計画段階からクラウド導入を成功させるために、以下の質問に必ず答えよう：

• デジタル遺産とあなたの目標を一致させるためには、何をすべきでしょうか？デジタル遺産とは、あなたのバーチャルな、電子的な口座や資産のことを指す。
• スキルの面でギャップはあるか？もしそうなら、そのギャップを埋めるための計画を立てる必要がある。
• よく練られたクラウド・ジャーニーとは、会社の将来の変化を支援する上で摩擦が少ないものである。組織のデジタル・インフラや必要なスキルの変更を管理するのに役立つ計画を作成しましたか？

準備完了

この段階の最終的な目標は、クラウド移行の基礎となるランディングゾーンの設定を支援することだ。この段階では、クラウド移行またはクラウド開発用に選択されたすべてのワークロードを収容するランディングゾーンを設定する。Azureのプラクティス・ガイドに従って環境を準備する際には、以下の点を忘れずに確認すること：

• Azureのセットアップマニュアル。ランディングゾーンを設定するには何が必要ですか？
• コードベースの開始点。適切な着陸地点を選択するために使用する。
• 第一着陸帯の拡張。
• 関連する変更点。関連するベストプラクティス・ガイダンスと変更点を比較する。
• 究極の目標目標は、既存の着地点と将来着地する可能性のある着地点の両方について、理想的なコンフィギュレーションを採用していることを確認することだ。

採用

ワークロードの移行、近代化、革新、移転は、Adoptステージで概説されている。以下の4つのプロセスは、クラウド変革の旅の明確なステージに対応しており、それぞれに目的、ソリューション、メリットがあります。

移住

このプロセスは、既存のワークロードを移行する方法を示している。移行には、要求に応じてさまざまな方法がある。

近代化

このプロセスは、既存のワークロードを改善するために機能する。つまり、既存のワークロードを近代化するのです。このプロセスには多くの利点がありますが、ほとんどの場合、このステップはビジネスの成長を支援するPaaSソリューションに頻繁に移行します。

イノベーション

イノベーションとは、クラウドネイティブテクノロジーを活用して、ビジネスの成果を加速させる顧客中心のソリューションを創造することである。

移転

これは、ビジネスがビジネス環境の変化を特定し、それに適応し、国際的なリーチを広げ、エンドユーザーの遅れを少なくするプロセスである。

ガバナンス

マイクロソフトはクラウド・ガバナンスを「反復プロセス」と呼び、クラウド・ガバナンス・ポリシーはオンプレミス環境との摩擦を引き起こすのではなく、それをサポートするものであるべきだと考えている。プロセスは柔軟であるべきで、クラウド環境の変化に合わせて適応すべきである。このプロセスで踏むべきステップは以下の通りだ：

• 方法論の確立最終的なソリューションを可視化するためには、クラウド導入フレームワークにおけるクラウドガバナンスの基盤となる方法論の基本的な理解が不可欠である。
• フレームワークの適用方法についての見解。現在および将来の状況を評価する。ベンチマークツールを使って行うことができる。
• 小さな始まり。初期のガバナンス基盤に関しては、導入が簡単なガバナンス・ツールの初期セットからガバナンスの旅を始めよう。この初期のガバナンス・フレームワークは、MVP（Minimum Viable Product）と呼ばれる。
• クラウド導入計画の実施中に最終状態に近づくにつれ、段階的にガバナンス・コントロールを追加することで、当初のガバナンス・フレームワークを強化する。

管理

クラウドの運用が適切に管理されていなければ、前述のような苦労はあまり意味をなさない。クラウドを適切に管理することは、継続的な運用につながり、具体的なビジネス成果を生み出す。この段階では、以下のフレームワークの実践に取り組む必要がある：

• ビジネスへのコミットメント：ワークロードごとのクラウド管理投資とビジネスとの運用コミットメントを決定するために、サポートするワークロードのリストを作成する。
• ビジネス・ベースラインの確立：重要度分類とは？クラウド管理ツールとは？最低限の運用管理コミットメントを満たすために必要なプロセスとは？
• ビジネス・ベースラインの拡大：ビジネス要件と運用上の意思決定に基づいて、ここで説明するベストプラクティスに従って必要なクラウド管理ツールを導入する。
• 高度な運用と設計原則の：改訂より高いコミットメントを必要とするプラットフォームやワークロードでは、回復力と信頼性の要件を満たすために、より詳細なアーキテクチャの見直しが必要になる場合がある。